かぎり 限り かぎる 限る 01-027
限界の意味のほかに規則 定めの意味がある。この場面での規則とは、帝は清浄さを重んじる存在であるので、重病者と長く接触することは陰の気を受けすぎ穢れ(気枯れ)るので、限度があるということ。穢れは死触れだけではない。その前の段階で宮中を去らなければならないのだ。
限りあれば さのみもえ留めさせたまはず 御覧じだに送らぬおぼつかなさを 言ふ方なく思ほさる
決まりがあることなので、そう留め置くこともおできになれず、帝は病状を見届けてやれないもどかしさを言葉にできぬほどつらくお悔やみにでした。