つねのあつしさ 常の篤しさ 01-025
病気が慢性化していること。
年ごろ常の篤しさになりたまへれば 御目馴れてなほしばしこころみよとのみのたまはするに 日々に重りたまひて ただ五六日のほどにいと弱うなれば 母君泣く泣く奏してまかでさせたてまつりたまふ
何年来ご不調が常のご様子でいらっしゃったために、見慣れておいでの帝は、もうしばらく様子をみよとだけお命じになられるが、病態は日に日に悪化し、わずか五六日のうちにひどく衰弱してしまわれたので、母君が泣く泣く帝に奏上し、退出なされるようにしておあげになりました。