わづらはしげに 煩はしげに わずらわしげに 煩わしげに 02-111
「(恨めしと思ふことも)見知らぬやうにて/02-137」「かうのどけきに/02-139」「例のうらもなき/02-143」「つらきをも思ひ知りけりと見えむは、わりなく苦しきものと思ひたりしかば/02-147」などとあり、頭中将を困らせるような様子がなかった。
あはれと思ひしほどに わづらはしげに思ひまとはすけしき見えましかば かくもあくがらさざらまし こよなきとだえおかず さるものにしなして長く見るやうもはべりなまし
いとしさを感じていたあの時分に、うるさいほどすがりつく様子が見て取れていましたら、こんな行方もしれない状態にさせはしなかったでしょうに、ああまでひどい途絶をせずに、妻として立派な待遇を与えて末長く世話をする方途もあったでしょうに。
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