まぎるることなきほど 紛るることなきほど まぎる 紛る 02-021
「ほど」を程度と解釈すると、他に気持ちをむけず一心不乱にと読める。「ほど」を時間と解釈すると、他にやることがない間はと訳せる。
容貌をかしくうちおほどき若やかにて 紛るることなきほど はかなきすさびをも 人まねに心を入るることもあるに おのづから一つゆゑづけてし出づることもあり
(頭中将)姿形が華やぎおっとりとしたたちで若々しくて、他に専念すべきことがないうちは、ちょっとした技芸でも人真似ながら身を入れることもあって、おのずと一つくらいは堂に入った風にやってのけたりするものですよ。