このきみもいとものうくして この君もいともの憂くして ものうし もの憂し 02-007
「この君も」は光君と同様にの意味で「もの憂くして」にかける。「もの憂し」は状況が自分で変えられないことからくる閉塞感。「もの」はやはり動かせなさ、重たさを示す。いずれも奥さんが気位が高く馴染めない点で同じである。
右大臣のいたはりかしづきたまふ住み処は この君もいともの憂くして 好きがましきあだ人なり
右大臣が大事にお育てなさっている四の宮の住いはこの君も光の君同様ひどく煩わしくて、そのうえ好き者の不実な人である。