かよひてみえたまふ かよひて見えたまふ 通ひて見え給ふ 通いて見えたまう かよいてみえたまう 01-138
形容詞の連用形(て)+「見ゆ」+「たまふ」。光源氏には藤壺の宮が桐壺更衣と似通ってお見えになる。
主上も限りなき御思ひどちにて な疎みたまひそ あやしくよそへきこえつべき心地なむする なめしと思さでらうたくしたまへ つらつきまみなどはいとよう似たりしゆゑ かよひて見えたまふも似げなからずなむ など聞こえつけたまへれば 幼心地にも はかなき花紅葉につけても 心ざしを見えたてまつる
帝にしても限りなく愛しい同士の二人なので、疎んではなりませんよ。あの子は不思議と母になぞらえたい気持ちでいるのです。無礼だとお思いにならずかわいがってあげなさい。顔立ちまなざしなど母はとてもよく似ていたので、あなたが母に見えるのも無理からぬことでなど、藤壺の宮にお頼み申し上げておられたので、幼な心にも桜や紅葉などちょっとした機会にこと寄せお慕いしているお気持ちをお示し申しあげるのでした。