はかなく はかなし 01-129

2021-05-15

取るに足らないとの意味で解釈されているが、「あな恐ろしや」、「ゆゆしう(不吉な)」などの関連から、あきらかにあっけない最期を迎えさせられたのも不吉で、ほどの意味。


母后 あな恐ろしや 春宮の女御のいとさがなくて 桐壺の更衣のあらはにはかなくもてなされにし例もゆゆしうと思しつつみて すがすがしうも思し立たざりけるほどに 后も亡せたまひぬ

母后は、まあ恐ろしい、東宮の母はとても性悪で桐壺の更衣があんなにはっきりとあっけない最期を迎えるはめになった例も忌まわしいのにと、口をつぐみ前向きに事をお進めにならないうちに、后も亡くなってしまわれた。

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