かきくらす かき暗す 掻き暗す 01-085

2021-04-13

暗闇につつまれる。暗くなるの意味で、帝の親書を受け取った時には、「目も見えはべらぬに、かくかしこき仰せ言を光にてなむ(子を思う悲しみで)目も見えませんが、このように恐れ多い仰せごとを光にして) 01-60」と言っていたのと対照的である。母君は意図的に相手によって言葉を使い分けている。


御返り御覧ずれば いともかしこきは置き所もはべらず かかる仰せ言につけても かきくらす乱り心地になむ

母君からの返書をご覧になる、なんとも恐れ多い仰せ事は捨て置くこともできません。あのようなお言葉を戴くにつけても一面の闇に心は乱れるばかりで、

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