みぐしあげのてうどめくもの みぐしあげのちょうどめくもの 御髪上げの調度めく物 01-078
白楽天の「長恨歌」では、亡き楊貴妃の魂のありかを訪ねて道士が使わされるが、そこで楊貴妃の形見に金の釵(かんざし)を受け取る。それにならったもの。
をかしき御贈り物などあるべき折にもあらねば ただかの御形見にとて かかる用もやと残したまへりける御装束一領 御髪上げの調度めく物 添へたまふ
風情のある贈り物などすべき折りでもないので、ただ更衣を偲んでいただく御形見にと、こうした用もあろうかと残しておかれた御衣装一揃えと御髪上げの調度類を、歌に添えてお出しになる。