さらにえゆるさせたまはず さらにえゆるさせたまわず さらにえ許させ給はず さらにえ許させ給わず 01-029
それ以上は決してお許しにならなかった。「さらに」はここでも肯定での用法の意味を残す。「その年の夏、御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、暇さらに許させたまはず/01-024」も同じ用法。そちらで解説した。具体的には、輦車はいつでも出発できるように準備させたものの、帝は桐壺更衣の上局にお入りになり、更衣が出て行かれるのを許さなかった。
輦車の宣旨などのたまはせても また入らせたまひて さらにえ許させたまはず
輦車の宣旨などご発令になってもまた曹司にお入りになって、それ以上はいっかなお許しにならない。