まうのぼりたまふ もうのぼりたまう 参う上りたまふ 参う上り給ふ 参う上り給う 01-017
「何事にもゆゑある事のふしぶしにはまづ参う上らせたまふ/01-011」とあり、「参う上る」は桐壺が帝の元に参上すること。前文「御前渡り/01-016」は帝が桐壺の元に行くことと対比をなす。
参う上りたまふにも あまりうちしきる折々は 打橋渡殿のここかしこの道に あやしきわざをしつつ 御送り迎への人の衣の裾 堪へがたくまさなきこともあり
更衣から帝のもとへ参上なさる場合にも、あまりたび重なる折りには、廊下の掛け橋や渡り廊下のそこここに、汚らわしい仕掛けをしては、送り迎えに立つ女官の裾は、耐えがたく今宵の段取りが台無しになることもしばしばで、