にげめをつかひ 02-171

2021-01-14D:古典一般に見られる語彙

逃げながらも目配せで相手に訴える様子。逃げることより目配せに動作の主体がある。さらに分析すれば、「聞き過ぐさむもいとほし」に対しては目での訴えが、「にほひさへはなやかにたち添へるも術なくて」に対しては逃げるが行動の主となるアンビバレントな状況をいう。


答へに何とかは ただ承りぬとて 立ち出ではべるに さうざうしくやおぼえけむ この香失せなむ時に立ち寄りたまへ と高やかに言ふを 聞き過ぐさむもいとほし しばしやすらふべきに はたはべらねば げにそのにほひさへ はなやかにたち添へるも術なくて 逃げ目をつかひて

返事に何と言えましょう、ただ「わかりました」と坐を立って出ようとしますにものさびしく思えたのでしょう、「このにおいが消えました時にまたお立ち寄りください」と、声高に言うのを聞き流すのも気の毒ながら、しばしなりとくつろいでいられる状況ではさらさらございませんで、実際そのにおいまでぷんぷんと纏いつくもせん方なくて、逃げ目を使い、

2021-01-14D:古典一般に見られる語彙

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