まばゆからまし まばゆし 目映し 眩し 02-115
「まばゆし」は相手が立派で気恥ずかしいの意味。「まし」は反実仮想。藤式部丞の前言「なつかしき妻子とうち頼まむには、無才の人、なま悪ろならむ振る舞ひなど見えむに、恥づかしくなむ見えはべりし/02-165」とあるように、蒜の女の欠点は立派すぎること。一夜も離れていられない間柄なら、相手が立派すぎると敬遠することもないはずだと、男の一番痛いところにスポットを当てる。
逢ふことの夜をし隔てぬ仲ならばひる間も何かまばゆからまし さすがに口疾くなどははべりきと しづしづと申せば
お会いするのが一夜も間をあけられぬほど愛し合う仲であるならば昼間であろうと蒜のにおいがしようとどうしていたたまれない気になりましょう。さすがに間髪入れぬ詠みぶりではありましたよ」としずしず申しますと、