あやなさ あやなし 02-115
理屈に合わない。もう夕方なのに昼間を過ごせとは非合理だ。
ささがにのふるまひしるき夕暮れに ひるま過ぐせといふがあやなさ いかなることつけぞやと 言ひも果てず走り出ではべりぬるに 追ひて
蜘蛛が巣作りするそのふるまい方で私がまた来ることはすでにわかっているはずの夕暮れだというのに、蒜(ヒル)のにおいが消えるまで昼間を待ち過ごせと言うとは理屈にあわぬではないか。においが消えたらなどと遭いたくない口実をよく言えたものだ」と言いも終わらぬうちに走り出ましたところ、すぐ後を追って、