にほひさへはなやかにたちそへるも にほひさへはなやかにたち添へるも においさえはなやかにたちそえるも においさえはなやかにたち添えるも 02-115
「やすらふ」べきものでない女の態度に、蒜の臭いまで加わって。
答へに何とかは ただ承りぬとて 立ち出ではべるに さうざうしくやおぼえけむ この香失せなむ時に立ち寄りたまへ と高やかに言ふを 聞き過ぐさむもいとほし しばしやすらふべきに はたはべらねば げにそのにほひさへ はなやかにたち添へるも術なくて 逃げ目をつかひて
返事に何と言えましょう、ただ「わかりました」と坐を立って出ようとしますにものさびしく思えたのでしょう、「このにおいが消えました時にまたお立ち寄りください」と、声高に言うのを聞き流すのも気の毒ながら、しばしなりとくつろいでいられる状況ではさらさらございませんで、実際そのにおいまでぷんぷんと纏いつくもせん方なくて、逃げ目を使い、