もののたより 物の便り ものの便り 02-115
ある避けられない事情、多くは法事を指す。「もののたより」は源氏物語で六例あるが、あきらかに法事を指す例が半数を数える。「もの」は動かせないものの形容、あるいは霊。
さて いと久しくまからざりしに もののたよりに立ち寄りてはべれば 常のうちとけゐたる方にははべらで 心やましき物越しにてなむ逢ひてはべる
「さて、すっかり足が遠のいていたのですが、あるよんどころない事情があって立ち寄りましたところ、いつもの気安く過ごした部屋ではございませんで、じれったい物越しでの対面なのです。