しもがしも 下が下 02-113
階級の中で、上の品、中の品、下の品、それぞれの女性論がこの夜の話題。自分は下の下の階級なので、上の上の方々に満足いただけるような話はないとの弁。もちろん、一種の社交辞令。話したくて出番を待っていたが、身分が高くないので議論に口を挟まず控えていたのである。
下が下の中には なでふことか 聞こし召しどころはべらむ と言へど 頭の君 まめやかに遅しと責めたまへば 何事をとり申さむと思ひめぐらすに
「下の下の分際では、どういう内容をもってお聞きがいある話といたせましょう」と言うが、頭中将の君はまじめな顔で「遅いぞ」と詰め寄りになるので、どんな話を持ち出し申そうかと思案したのちに、