をらばおちぬべきはぎのつゆ 折らば落ちぬべき萩の露 おらばおちぬべきはぎのつゆ 02-107

2021-06-04

萩はそうでなくとも散りやすいのに、手折ろうとすると、その前に落ちてしまいそうな荻の上の露。薄幸の人である夕顔を暗示する。「あえかなる好き好きしさ」を象徴する。「折りて見ば落ちぞしぬべき秋萩の枝もたわわに置ける白露」(古今集巻四秋 読人知らず)を引く。


御心のままに 折らば落ちぬべき萩の露 拾はば消えなむと見る玉笹の上の霰などの 艶にあえかなる好き好きしさのみこそ をかしく思さるらめ 今さりとも 七年あまりがほどに思し知りはべなむ

御心のままに手折ればこぼれ落ちてしまいそうな萩の上の露や、手にとれば消えてしまう笹の葉の上の霰のような、なまめかしくひ弱で色っぽい女性ばかりにご興味がおありでございましょうが、いまはそうでも七年あまりもたつうちにはきっとお分かりになっておられましょう。

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