てんながに 点長に 02-089

2021-05-28

気分に任せて書くことのようだが、点が長くなるのか、点と筆をおいた後にスーっと筆を走らせることを言うのか、判明しない。


手を書きたるにも 深きことはなくて ここかしこの点長に走り書き そこはかとなく気色ばめるは うち見るにかどかどしく気色だちたれど なほまことの筋をこまやかに書き得たるは うはべの筆消えて見ゆれど 今ひとたびとり並べて見れば なほ実になむよりける

(左馬頭)字を書いた場合でも、深い意図などなくて、あちこちの点を書き流しどことなく気分を出している書は、ぱっと見には才気走り雰囲気があるようだけれど、やはりまことの筆法通りに細心の注意を払って書きえた書は、見た目のうまさこそ目につかないが、今一度とり並べて見るとやはり誠実な書に心は惹かれるのです。

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