かしこき かしこし 賢し 賢き 01-119

2021-05-15

神意 霊力に対する畏敬の念を表し、そのような能力をもつ人にも使う。この後にも、同じ意味の「かしこき」が「帝、かしこき御心に、倭相を仰せて/01-125」「宿曜の賢き道の人に/01-126」と、計三度に渡って現れる。昔物語の伝統を踏まえた語り口になっている。


そのころ 高麗人の参れる中に かしこき相人ありけるを聞こし召して 宮の内に召さむことは 宇多の帝の御誡めあれば いみじう忍びて この御子を鴻臚館に遣はしたり

その頃、高麗人が来朝した中に人並み外れた人相見が来ていることを帝はお聞きあそばされて、宮中に招くことは宇多天皇の御遺誡があることなので、至極内密に、この御子を鴻臚館(こうろかん)にお遣わしになられたのです。

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