こころばへ こころばえ 心ばへ 心ばえ 01-022
通例「気性」「性質」「気立て」「気質」等と解釈されるが、「およすけもておはする」は時間をかけて生育していく、すなわち変化を表すので、上記のような一般に変化しにくい事柄ではなかろう。「心延へ」の原義、心が向うその傾向の意味で、ここでは洗練された美意識、趣味の良さである。具体的には服装などの趣味の良さや、所作のすみずみにまでゆきわたる美的な心配りである。
それにつけても世の誹りのみ多かれど この御子のおよすげもておはする御容貌心ばへ ありがたくめづらしきまで見えたまふを え嫉みあへたまはず
そうした帝のなされようにつけても世間では逆順のそしりばかりが聞かれましたが、この御子のご成育あそばされてゆくお顔立ちや趣味のよさは、たぐい稀れで賞賛せずにはおれないようにいらっしゃるのを、誰も憎み切ることはおできになれず、