かの 彼の 02-119
「まめ人」に懸ける解釈があるが、「人々の」では唐突過ぎる。「かの人々」でよいだろう。雨夜の品定めに集った人々、なかんずく左馬頭と頭中将を指す。
おほかたの気色 人のけはひも けざやかにけ高く 乱れたるところまじらず なほ これこそは かの 人びとの捨てがたく取り出でしまめ人には頼まれぬべけれ と思すものから
ご邸一帯のたたずまいや葵の君の雰囲気も凛として気高く一点の乱れた様子もなくて、やはりこれこそがあの左馬頭たちが棄てがたく取り上げた生活力のある妻としては信のおけるに違いないとお思いになりながらも、