よすが 縁 便 因 02-106
頼りとするところ。より所。
ただ時々うち語らふ宮仕へ人などのあくまでさればみ好きたるは さても見る限りはをかしくもありぬべし 時々にても さる所にて忘れぬよすがと思ひたまへむには 頼もしげなくさし過ぐいたりと心おかれて その夜のことにことつけてこそ まかり絶えにしか
単に時々ちょっかいを出す宮仕えの女房などが、どこまでも物馴れた調子で男好きなのは、そのように付き合う限りには気をそそられするものですが、時々であっても、しっかりとした通いどころとして忘れることのない連れ合いと思ってみますには、頼もしい感じはなく好きがましいにもほどがあるとつい気持ちが離れてしまい、その夜のことにかこつけて通うのをぷっつりやめてしましました。