えうらみじ うらむ うらみず うらみじ 02-097
「うらみじ」なら私は恨まないでおこうとも、女は恨まないだろうとも解釈できる。「さすがにうち泣きて」との続きとしては、私は恨まないとした方がよいが、そもそもこのエピソードは女の嫉妬がテーマである。よって主体は女とすべきである。それでこそ「さりとも今宵日ごろの恨みは解けなむ 02-107」が生きる。「え…じ」はよもや…できないだろう、完全には仕切れないだろう。「恨む」はマ行上二段活用(み・み・む・むる・むれ・みよ)で他動詞、女は私を恨むことは決してないだろうの意味。
手を折りてあひ見しことを数ふれば これひとつやは 君が憂きふし えうらみじなど言ひはべれば
指を折り二人で過ごした思い出を数えてみると、この一回切りだったろうか、あなたのことでつらい目を見たのは、別れることになってもよもや恨んだりはできまいね」など言ってやりましたところ、