ひかるきみ 光る君 01-183
「世にたぐひなしと見たてまつりたまひ、名高うおはする宮の御容貌にもなほ匂はしさはたとへむ方なくうつくしげなるを、世の人「光る君」と聞こゆ。藤壺ならびたまひて、御おぼえもとりどりなれば、「かかやく日の宮」と聞こゆ/01-140」とあった。そのとき、光源氏と藤壺は「にほひ=光」で共通し、光源氏の次世代にも「にほひ」は受け継がれるが、「にほひ=香」にランクが下がると注した。光源氏にしても薰や匂の宮にしても体から匂いを発散したとする。物語には明記されていないが、匂いに加えて、光源氏や藤壺は実際に光り輝くように見えたのだろう。
光る君といふ名は 高麗人のめできこえてつけたてまつりける とぞ言ひ伝へたるとなむ
光の君という名は、高麗人が賛嘆申し上げておつけ申しあげたのだと言い伝えられている。