ゆつらふ 02-050

「譲り合ふ」の略。事が少数者(上)から多数者(下)へスムーズに伝わるの意味。
されど賢しとても 一人二人世の中をまつりごちしるべきならねば 上は下に輔けられ 下は上になびきて こと広きにゆつらふらむ
(左馬頭) ...
うつろふかた 02-075

浮気性。「方」は方向性であって実際に浮気をしたとは言っていない。ここは、指を噛む女に対する左馬頭の言い訳が働いている。
また なのめに移ろふ方あらむ人を恨みて 気色ばみ背かむ はたをこがましかりなむ 心は移ろふ方ありとも ...
かたらふ 02-128

異性との間では、愛のささやき。
ただ時々うち語らふ宮仕へ人などのあくまでさればみ好きたるは さても見る限りはをかしくもありぬべし 時々にても さる所にて忘れぬよすがと思ひたまへむには 頼もしげなくさし過ぐいたりと心おかれて ...
ながらふ 02-136

長続き。
いと忍びて見そめたりし人の さても見つべかりしけはひなりしかば ながらふべきものとしも思ひたまへざりしかど 馴れゆくままにあはれとおぼえしかば 絶え絶え忘れぬものに思ひたまへしを
「たいそう人目を忍ん ...
ねざめのかたらひ 02-164

「語らひ」は情を交わす、むつびあう。起き抜けでまだ寝具を羽織って、ぼんやり夕べの情事を思い出しながら愛を語りあう、そういう時にも。
いとあはれに思ひ後見 寝覚の語らひにも 身の才つき 朝廷に仕うまつるべき道々しきことを教へ ...