この大臣の御おぼえ 桐壺10章30
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:左大臣/帝/大宮(左大臣の正妻、葵の上の母)/左大臣と大宮/光源氏/右大臣(娘は弘徽殿の女御で、その第一子が東宮)
分岐型:A+B→C+D→E:A+B→C+D→E
《この大臣の御おぼえ いとやむごとなきに・母宮内裏の一つ后腹になむおはしければ》A・B
この大臣に対する帝のご信任はとても篤いうえに、姫の母宮は帝と同母の生まれでいらっしゃったので、
《いづ方につけてもいとはなやかなるに・この君さへかくおはし添ひぬれば》C・D
両親いずれをとっても大変なご威光なのに、
《春宮の御祖父にて つひに世の中を知りたまふべき右大臣の御勢ひは ものにもあらず圧されたまへり》E
この君までこのようにお越しになって縁づかれたからには、東宮の御祖父でいずれ天下を掌握なさる右大臣のご権勢も、元来不動のはずが圧されることともなった。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った